東京はここ数日、コロナの新規感染者数が減ってきていて、何となくホッとしています。

ただ、飲食店に営業時間の短縮を要請するだけで、こんなに感染者数が減るんだ、ということになると、ますます夜の飲食店が悪者にされそうで、そこはちょっと気の毒な気がします。

さて、本題ですが、総務省が先月29日に発表した「人口移動報告」を受けて、大手新聞各社が30日に掲載した記事のタイトルは、

 「東京からの転出者急増」「コロナでテレワーク普及」 

といった刺激的なものでした。 

 新聞記事のタイトルを見ると、コロナの影響で東京から人々がどんどん郊外に逃げ出しているような、そんな印象を受けます。  

「東京 転出者」とかで検索すれば、今でも記事が出てくると思いますので、興味のある方はご覧になってみてください。

どの新聞も似たような記事タイトルです。  

しかし、これ、本当のことでしょうか?  

ネット上の記事も、紙ベースの新聞記事でも、読者の興味を引き付けなければ読んでもらえません。  

だから、どうしてもメディアは過剰な表現で読者の興味を引こうとします。  

新型コロナウイルスの影響でリモートワークが普及し、都心から通勤圏内の郊外へ移り住む流れが進んでいる、ということが記事に書かれていましたが、確かにそういう人は中にはいると思います。 

しかし、それによって、東京からの転出者が急増するとは思えません。  

東京への一極集中に急ブレーキがかかるのなら、それはそれで好ましいとも思いますが、それもちょっと無いなと思います。  

元データの総務省の統計資料を見てみましょう。  

    

統計局ホームページ/住民基本台帳人口移動報告 2020年(令和2年)12月結果 (stat.go.jp)

表を見るとわかるように、名古屋圏や大阪圏は、転入超過数がマイナスになっています。つまり、人口は減っています。  

これに対し、  東京圏は、ずっと、「転入超過」が続いています。

つまり、「転出」する人よりも「転入」する人の方が多いです。これが実情です。  

転出者数は、2019年が、352,084人から、2020年は、361,091人となりました。  大した増加ではありません。  

ただ、2019年の転入超過数が「145,576」人に対して、2020年の転入超過数が「98,000人」と減っています。(赤い矢印の部分)  つまり、転入者数から転出者数を引いた値が、減少しています。  

この数字の変動をもって、「東京からの転出者が急増」とマスコミは言っているのです。  

いままでは、転出者数に比べて、転入者数の方がはるかに多かったけど、その差が縮まったというだけのことです。

  

しかも、この転入超過数って、2013年の値とほとんど同じです。  

確かにテレワークで住む場所にこだわらない人が増えたのかもしれないし、  地方から東京に来ていた大学生は、大学が休講になったり、講義がオンラインになったりで、東京で高い家賃を支払い続けるよりも、いったん親元に帰ろうか、というのもあるでしょう。   

また、このような時期に、わざわざ東京に引越ししないで、時期をずらそうと考える人もいるはずです。   

ですから、当然、転入者数は少しは減るでしょうし、転出者数は少しは増えるでしょう。   

しかし、統計上の数値はこの程度のことなのです。   

マスコミは視聴者の興味を引くように、「かなり大げさ」な表現を使います。  

しかも大多数の視聴者は、記事のタイトルを眺めるだけで、中身を細かく読み込むことはしません。  

マスコミの報道が真実だと思い込むのはマズイです。  

僕は、次のようなスタンスが良いと思っています。

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1.客観的なデータは信用してよい。また、直接、自分が見聞したものは信用できる。  

2.しかし、マスコミの報道は批判的に聴く。マスコミの記事は批判的に読む。絶対にマスコミの報道を鵜呑みにはしない。ましてや、ネットに流通している、出所も怪しい変な情報は、「原則すべて無視する」  

3.著名人や専門家の意見を聞く時は、できるだけ、その反対意見も聞くようにする。自分の好きな著名人の意見を鵜呑みにしない。


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と、こんな感じです。

それでは、また。