都心5区のオフィス空室率

先日の新聞で、去年12月時点での都心オフィスの空室が、前年同月の3倍(約116万㎡)に拡大したとの記事が掲載されました。

去年1年で、都心のオフィスの空室が、東京ドーム16個分に相当する約77万㎡増えたことになるみたいです。

ソースである、三鬼商事が今月公表したデータによると、東京ビジネス地区(都心5区:千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)の平均空室率の変動をみると、

1.55%(2020.1月)から、↓4.49%(2020.12月)に拡大しています。

平均は4.49%ですが、個別に見ると、港区が5.79%渋谷区が5.34%と、IT系企業やベンチャーが多いため、他の区より大きくなっています。

また、千代田区が最少で3.23%です。

空室率の上昇に伴い、平均賃料も少しづつ下落傾向にあります。

2021年の需給がどうなるのかは未知数ですが、コロナ後を見据えて、オフィス再編の動きが広がるという見方をするアナリストが多いようです。

確かに一度テレワークが定着したり、ペーパーレスの導入が進めば、ある程度、オフィスの統合や縮小が進むかもしれません。

もしこの先、都心5区のオフィス賃料の下落が続くのなら、それは周辺の商業地や住宅地の地価の下落に波及するのは必至です。

しかし、僕はたぶんそうならない気がします。

同じく三鬼商事のレポートによると、2021年のオフィスビルの新規供給量(延床面積)は2020年と比較して約125万㎡減少して約50万㎡となり、2000年以来の最少供給となるようです。

このように供給が調整されますから、急速な空室率の上昇が緩和されるはずです。

また、東京都心部の地価がもし仮に暴落したら、外資系のファンドなどが、待ち構えていますから、積極的に買い漁るはずです。ということは、地価の急落は起こらないと考えた方が素直な気がします。

いずれにしても、今後の空室率や地価動向には注目していこうと思っています。

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