2023年 4月 の投稿一覧

2023「電車で一問一答トレーニング」No.34解説

【問 34】正誤問題
Aは、Bに対して負う債務を担保するため、Aの所有地にBの抵当権を設定し、その登記をしたが、その後その土地をCに売却し、登記を移転した。Cは、抵当権の実行を免れるため、Aの意思に反しても、AのBに対する債務を弁済することができる。

解答: 正

解説:

弁済をすることについて正当な利益を有する第三者は、債務者の意思に反しても、弁済をすることができる。Cのような、抵当不動産の第三取得者は、弁済をするについて正当な利益を有する第三者にあたる。したがって、Cは、Aの意思に反しても弁済できる。

※ただし、当事者が第三者弁済を禁止又は制限する意思表示をしたときは弁済は無効になるので注意してください。

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2023「電車で一問一答トレーニング」No.33解説

【問 33】正誤問題
登記権利者は、その者の所有権を確認する確定判決に基づき、売買による所有権移転の登記を単独で申請することができる。

解答: 誤

解説:登記の申請は、原則として、登記権利者および登記義務者、またはそれらの者の代理人が、共同してしなければならない(共同申請主義)。
しかし、登記手続きを命ずる確定判決による登記は、登記権利者が単独で申請できる。
これに対し、所有権を確認する判決では、単独で申請することはできない。

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2024「電車で一問一答トレーニング」No.32解説

【問32】正誤問題
Aから土地を賃借したCが、その土地上に自己名義で保存登記をした建物を所有している。その後、Aの所有地をBが取得したが、Bはまだ所有権移転登記を受けていない場合、Bは土地の所有権をCに対抗することができない。

解答:正

解説:

不動産の取得などの物権変動は、登記がなければ「第三者」に対抗することができない。
登記がなければ対抗できない「第三者」とは、「当事者またはその包括承継人以外の者で、登記の欠峡を主張するについて正当な利益を有する者」をいう(判例)。
借地上に登記ある建物を所有している賃借人は、登記の欠訣を主張する正当な利益を有する「第三者」にあたる。
したがって、Bは登記なくして土地所有権をCに対抗することができない。


※事例が少し複雑な問題です。このような事例を正確に把握できる実力を付ければ十分に合格レベルです。

Cは借地上に登記された建物を所有していますから、対抗力を有しています。対抗力ある賃借人が存在することを前提に、Bは土地を購入しているのです。
ところで、Bの所有権と、Cの賃借権とは完全に両立するから、これは正確には、対抗力の問題ではありません。
貸主としての権利義務の移転を、どのような基準で処理すれば良いのかの問題なのです。
この場合に、「Bが土地所有権をCに対抗できるか?」というのは、要するに、Bは「自分が新しい地主である」と主張して、地代の請求ができるのか?という問題です。

結論は、「Bは所有権の登記を備えなければ、Cに対して地代の請求ができない」ということになります。
これは、Cが誰に地代を支払えばよいのかを明確にするために、「土地の所有権の登記を備えた人に支払えばよい」としているのです。

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